誰も知らない Nobody Knows
試写会へ。カンヌ云々が無くてもおそらく観にいった気がするけど、広告批評を読んでたらどうしても早く観たくなって一般試写に応募しまくったら1つ当たった。
テーマがテーマだけに、「イイ映画」という表現は合わないけど、かなりグッときた。物語にというよりも、子供たちの自然な姿や成長、季節の移り変わりや時間の経過によって増していく悲惨さや焦燥感のリアルさに。本当に一年間、手間隙かけて撮ったのだなぁと思わせるシーンや表情が沢山あった。
「事実は小説より奇なり」的な取ってつけた不自然なシーンや、日本映画にありがちな独りよがりの起承転結も無く、さすがドキュメンタリーの人。「ディスタンス」も「ワンダフルライフ」もイマイチ好きじゃなかったけど、コレを撮るために必要な伏線だったのだと思うことにしてみる。
柳楽優弥くんは素晴らしいの一言。
今後期待大だけど、いろんな役をこなしていく俳優さんにはなって欲しくない気もする。それぐらい「この映画」の彼は素晴らしくて、やはり彼が感動を何倍にも増したことは間違いなくて、そういう点でやっぱり「主演男優賞」なのだと。ラスト近くの早朝のシーンは涙が出そうだった。周りに人が居なかったら、たぶんポロポロ泣いてたな。
「考えさせられる」って表現ほど安っぽいものは無いけれど、いろいろ思い考えながら観れる日本映画独特のテンポが好きな方には絶対におすすめ。あれこれ語りたいことがあるけどこのへんで止めときます(笑)。とりあえず今のところ、今年観た中で一番。見終わってからじわじわきてます。
■2004.7.22 at 千代田区公会堂 『誰も知らない』
■映画のモチーフとなった巣鴨子供置き去り事件について
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