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ポイントは法令線

観て来た。セロンの女優魂。「モンスター」。

とにかく凄い・・・感動してしまった。単に彼女の変わりっぷりにも驚きなのだが(左がいつもの彼女、中・右が映画のシーン)、映画を観終わって、彼女が演じた実在の犯罪者アイリーン・ウォーノスの写真を見てなおビックリ。本当にそっくり・・・。映画のクランクイン直前に死刑が執行され、アイリーン本人は亡くなっているだけに、本当に乗り移ったのではないかと思うほど。さらにパンフを隅々まで読むと、その「乗り移り」が単に容姿だけのもの、昨今ありがちな「増量」の役作りというレベルではなく、本当に「魂」で挑んだ結果なのだと分かる。

アイリーンの壮絶で悲惨すぎる人生と、セロン本人の生い立ち(15歳の時、家庭内暴力のひどい父親を母親が射殺)や苦労の過程を知って、それだけでもう贔屓目でこの映画を見てしまうのだが、いちばん素晴らしいと思ったのは、観終わった後の感情が「犯罪者に対する同情」ではなかったこと。これは同じくノンフィクションの「誰も知らない」を見たときと同じ。是枝監督が「映画の中で絶対的な悪を作りたくなかった」と言っていたのを思い出す。事件の悲惨さより、「ひとりの女性が人生と愛を求める物語」だったことが頭に残って、不思議と後味がイイ。ラストの法廷でのシーンで軽く涙。

それにしても、昨今ハリウッド・ビューティの代名詞とも言うべきセロンの根性にオスカー(主演女優賞)を納得すると同時に、一時は激ヤセが心配されたこともある相手役のクリスティーナ・リッチのリアリティあるたるみ具合もグッジョブ。セロンが諦めみたいなものを感じる「枯れ」のたるみを表現していたのに対して、リッチの「ずんぐり・もったり」感は対照的。

13kg太ってこのぐらい変わるのだから・・・私が13kg痩せれば・・・!?とあらぬ期待で2時間ばかり。実は義歯と特殊メイクも手伝っていたと聞き、「そ・そうよね・・・」と小さく落胆。

2004.10.11 at シネマライズ 『モンスター』

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